川棚クスの森
2017.05.21

下関市豊浦町大字川棚




国指定天然記念 『川棚のクスの森』
「大字川棚字踊場にあり、大正十一年、内務省告示により天然記念物に指定された。
 立石山(標高205m)の北麓の台地に生育し、高さ27m、幹周り11.2mは県下第一の大きさを誇る。樹勢は旺盛で、四方に伸びる枝は、東西58m、南北53mに広がり、枝張りの美しさは日本一とも言われる。
 また、他の二箇所の枝は垂れ下がり、その一部が土中に埋もれ、ここより発根して再生している。
 一株から四方に長く伸びた枝は周囲を広く覆っているため、根元に目を向けてはじめて頭上にうっそうと茂る枝はすべてそこから伸びていることに気づき圧倒される。一株であるにもかかわらず、遠目には『森』のごとくみえるその姿からこの名は付けられた。
 このクスの根元には、戦国時代に陶氏の乱に倒された大内義隆公の後を追うように、この地で命尽きた愛馬雲雀毛が埋葬されたという伝承がある。そのためクスの森霊馬神・馬神とも呼ばれ、この名馬の霊を慰め鎮めるための供養が毎年行われている。」

下関市豊浦町
巨大なクス

根元にクスの森霊馬神・馬神

『大樟の 枝から枝ヘ 青あらし』 山頭火
「クスの森は、天を覆いつくすように枝を広げる、一本のクスの巨樹で、まるで森のように見えることからこう呼ばれる。
 日本三大樟樹の一つで、樹齢約千年といわれ、俳人・種田山頭火は昭和七年六月十四日にこの地を訪れ、『大樟の枝から枝へ青あらし』、『注連を張られ樟の森といふ一樹』、『大樟の枝垂れて地にとゞく花』の三句を詠んでいる。」
下関市豊浦町