吉香神社 国指定重要文化財
「吉香神社は岩国藩主古川氏歴代の神霊を祀る神社で、現社殿は、享保十三年(1728)横山の白山神社内に造営され、明治十八年(1886)に旧城跡の現在地に移築されたものです。鳥居、神門、拝殿及び幣殿、本殿が南から北に一直線に並んだ構成となっています。
神門は、小型の四脚門で冠木中央に古川家家紋があり、拝殿は、入母屋造妻入りで背面に幣殿が張り出し、本殿は三間社流造で正面に軒唐破風、千鳥破風が付されています。
いずれも軸部から小屋組まで当初形式をよく保持しており、充実した細部を備えた丁寧なつくりとなっています。特に本殿と拝殿および幣殿は独特な形式で複雑な架構と屋根形式を巧みにまとめていて、独自性が認められます。
全国的にも数少ない祖霊を祀る神社建築で、全体に岩国藩大工の質の高い技術が窺え、地方における江戸中期の優品として、高い価値が認められます。」
岩国市教育委員会 |