広滝第一発電所

2008.01.20

神埼市脊振町広滝 岩屋




九州電力広滝第一発電所
「当発電所は背振山を源とした城原川、白木川の水を取水し、明治41年10月水車発電機500キロワットの1、2号機二台を建設、大正7年9月水車発電機500キロワットの3号機を増設したが更に昭和28年8月3号機を1,150キロワットに出力増強した。発生した電力は地元のほか川上川第一発電所を通じて佐賀方面へ送電している。昭和55年7月無人発電所となり佐賀支店総合制御所より制御している。」
扁額『源泉混々不舎晝夜』の謂れ
「広滝発電所(現在、広滝第一発電所)の建設工事は、明治40年7月14日の起工式からはじまり、最初は、三建設会社が水路ならびに本館工事に対し、地元会社の面目にかけても九州一の水力発電所を建設する意気込みであった。機械力のない、ほとんど人力による特殊で、しかも専門的な技術を必要とする部分が多く、難解な工事箇所が多かったため、二建設会社は損失を被らないうちにと工事半ばで脱退し結局は松尾組(現在、松尾建設)の単独請け負いになった。建設工事は、請け負い予算額の弐万円を大幅に越え、不足した経費は松尾組が全額負担し、指定期日までに完成した。
 この松尾組の措置は、県内各方面から称賛され、鍋島直映は諱名 藤原姓で書いた『源泉混々不舎晝夜』という扁額を松尾組に贈り、その労苦をねぎらった。この扁額は、広滝第一発電所の導水路の一角(第二隧道)に刻み込まれていたが、後の地すべり等により埋もれていたものを、建設以来88年の米寿を迎えるのを機に、平成7年3月に広滝第一発電所のこの地に移設することにした。」