佐賀市重要文化財泰長院文書
「泰長院は、天文5年龍造寺大和守胤久によって、はじめ佐賀城内に建立された寺院で、慶長年間の佐賀城構築の際、現在の地に移された臨済宗南禅寺派のお寺です。
泰長院に保存されている文書は、全部で105通あり、12巻の巻物に表装されています。この文書の最大の特徴は、文禄・慶長の役、豊臣秀吉の朝鮮出兵における対朝鮮関係文書が非常に多いことです。これは、当時の泰長院の住職是衣明琳が鍋島直茂に従って渡鮮し、対外文書の起案、解読等に当っていたものと考えられます。直茂と朝鮮国将軍との贈答文、日本と明国との和議交渉日記、明琳朝鮮従軍日記など、当時の対朝鮮関係を知るうえで貴重な史料であり、全国でも類の少ない重要なものです。
また、龍造寺隆信、政家、高房三代にわたる書状、鍋島直茂、勝茂父子の書状などの中には、自筆のものも多く、注目すべき価値を有しています。」 |