西蔵寺の庚申塔群

2017.04.30

鹿島市山浦




庚申塔
「ここ能古見本城の西蔵寺には、天正十八年(1590)に建てられた最も古い11基の庚申塔があり、長いあいだ庚申待という、信仰の祭りが開かれていた。鹿島市内には中世の庚申六地蔵塔がこのほか七浦飯田の観音堂(永禄二年)と鹿島若殿分長待寺(天正十六年)に建てられ、歴史の古さと、信仰の根強さを物語っている。
 西蔵寺の庚申塔で、寛文五年(1665)に建った塔には『鶏鳴夜半挙頭看衆罪』と記され、庚申待が夜どうし催されていたことが想像される。
 庚申という信仰は、もともと中国の道教の流れをくむもので、わかりやすくいえば一つの長生きのための信仰。
 60日ごとに一回めぐってくる庚申の日の夜、三尸とよばれるものが体内から抜けだし、60日間の罪や悪業を天の神天帝に告げる。しかし、その罪が積み重なると、天帝から生命を絶たれて死亡すというならわし。そこで庚申の夜、体内から三尸が逃げないよう、一睡もせずに長生きしようと、けんめいに祈る。
 平安時代の初期ごろから、わが国に伝わり、鎌倉時代になって武士階級に、室町時代にはじめて一般庶民に普及したと記録に残されている。」
西蔵寺

石門をくぐり

本堂

本堂から左手へ抜けたところに庚申塔群

一番目立つ庚申塔

寛文五年(1665)
『・・・鶏鳴夜半挙頭看衆罪・・・』

新しい庚申塔 平成二十三年辛卯年(2011)