臼杵磨崖仏(木原石仏) 国指定特別史跡
「二基の仁王像は、凝灰岩製で、膝から下を地中に没しているため、全体像を正確に知り得ないが、いずれも一辺1m、厚さ20pの台石に立てられている。像高は、阿形像(開口像)2.4m、吽形像(閉口像)が2.2mをはかる。阿形像は、左掌を開いて胸にあて、右掌は腰にあてている。叫形像は、左掌を開いて腰にあてているが、右手は、手首から欠損している。その付根には、胸部にもみられるような径10pほどの穴が開けられている。阿形・吽形像とも鼻の一部が欠損しているが、病気回復に対する信仰によって削られたといわれている。二基とも腰を外側に強くひねり、その大仰な身振りが顔の表情と溶合い、一種独特なおかしさを醸し出している。昭和四十七年、周辺の発掘調査によって、この二基の仁王像は、鎌倉時代後期に比定されている瓦を含んだ整地層中に据えられていることが明らかにされた。このことによって、仁王像は、鎌倉時代後期以降、室町時代前基頃までの間に造立されたと推定される。」
臼杵市教育委員会 |