庚申塔

臼杵市門前地区
2004.09.04


 「庚申信仰は、旧暦の十干と十二支の組み合わせによって、60日に一度、庚申(かのえさる)の日が巡ってきますが、この日の夜人々は一晩中寝ずに過すため、飲食や或は碁、将棋などの遊びをして夜を明かし、健康長寿を祈るという行事です。
 これは、人間の体内には三尸(さんし)の虫がおり、庚申の夜に眠った人間の体内から抜け出て天にのぼり、天帝に人間の罪過を告げ命を縮めるといわれるため、この夜は眠らずに夜を明かし、三尸の虫が対外へ出るのを防ごうとする信仰です。
 三尸(さんし)とは上尸・中尸・下尸のことで、上尸は人の頭の中にいて首から上の部分を病気にし、中尸は人の腹の中にいて五臓を病気にし、下尸は人の足の中にいて下関を病気にするといわれています。
 この信仰は、古代中国の道教(中国の民間信仰)の影響を受け、日本では平安時代より発達してきたものです。
これらの信仰のために60年に一度の庚申(かのえさる)の年に庚申塔が造立されてきました。」

臼杵市教育委員会