白水ダム
2004.06.05
「溜池の中央部分に竹田市と荻町の境界線があり、周辺は両市町に属するところです。
この溜池は、水不足対策として設けられた施設で竹田市と緒方町の丘陵部を潤しその用水は、大野川の源流大谷川を水源としこの施設より下流1Kmの長けたし宮砥地区次倉万田迫より取水しています。さらに緒方町まで総延長15Kmの幹線水路をへて受益地に配水しています。
干害に強く安定した水量確保にこの施設の斜樋が重要な役割を果しています。受益地に水量不足がおこれば5つの蓋をもつ斜樋の水面に近い蓋から順次開かれ常に一定量の水量が確保できるようになっています。
着工にあたってボーリング調査を行ない候補地を変更するなど慎重を極め、亀裂のある川床にはクラウンティング工法により補強、痛みやすい側壁には特別な工法が施され、水流圧を柔らげるよう堤体は曲線状に設計、豊後石工の技術を駆使して完成に漕ぎつけた小野技師の卓越した企画が光る。見事な人工美を見ることができます。農業土木遺産国指定重要文化財第一号となった面目躍如たるものがあります。」
平成12年10月
歴史と文化を考える会
白水溜池堰堤水利施設一構
主堰堤・副堰堤（導水暗渠付）・斜樋
管理用階段・附白水池碑（昭和13年）一基
国指定重要文化財
竹田市−荻町
富士緒井路土地改良区に所属する施設のひとつです。
型式 重力式割石コンクリートダム・堰高14.1m・堰長87.26m・貯水量600,000・貯水面積10ha
設計 監督者 小野安夫（大分県農業土木技師）
竣工 昭和13年9月30日
改修 昭和54年3月31日（斜樋・幹線）
以上 2015.08.02撮影