田原石憧 市指定文化財
「通称六地蔵塔と呼ばれるこの石憧は、凝灰岩製の六角形で総高186cmある。下から基礎、憧身、中台、龕部、笠、宝珠からなっているが、宝珠は紛失したのか無い。
本町にある地蔵塔の龕部はほとんど線刻のものであるが、このように厚く陽刻されたものは珍しい。憧身には造立趣旨が記されていたと思われるが、長年の風雨のため摩滅し、詳細はわからないが、常敬寺住職と小庄屋佐保喜佐衛門が造立している。
当時のことを記載している明信寺過去帳(元木浦山正蓮寺道場常敬寺)によれば、常敬寺檀家だけでも変死三人、疱瘡で五人が死亡するなど疫病の流行は止まるところを知らず、享保の大飢饉による犠牲者をいたみ供養のため田原村小庄屋が同村に派遣されている鶴崎村出身の住職と共に同村の石工を呼んでつくらせたものである。」
佐伯市教育委員会 |