仲江笠塔婆
「笠塔婆は石造塔婆の一種で、細長い方身形の上部に笠石をのせたものである。塔身の上部に仏像、種子をあらわすほか、長い銘文を刻むことができるのが、これらの特徴である。
浄土宗系では六字名号を刻んだり、日蓮宗系では題目を刻んだりする。平安時代後期からあらわれ、流布伝播していった。内容的には板碑と同じである。
この笠塔婆は凝灰岩でできており、惜しいかな笠石が欠損している。しかし、塔身には密教の四方仏金剛界の種子である「アク」が鮮やかに薬研彫りされ異彩を放っている。また製作年代もその形状から室町時代後期の作とすいていされる。
この種の笠塔婆は本町に一基しかないため、それだけに貴重である。」
佐伯市教育委員会 |