白山神社の石灯篭とご神木
「三股宮ノ越の白山神社は、最後の栂牟礼城主となった佐伯惟定が、加賀(石川県)の白山から妙理権現(キクリヒメノミコト)を勧請して祀ったのが始まりといわれ、本地仏は十一面観音、明治の神仏分離までは本宮権現と呼ばれ、歴代藩主、近郷の人々の厚い尊宗を受けてきました。このため今でも由緒ある古社の面影が残されています。
石灯篭
そのころの神社の格式を物語る大きな石灯籠で、高さは約三・六米、大きさも形もほぼ同じで対をなし、いずれも堂々として均整のとれた作品です。
このうち右側のものは天保十三年(1842))、戸田儀兵衛の寄進によるもので、三段に重ねられた基壇はそれぞれ厚薄二層の切石を重ねた入念な作りで、建立から一五〇年を経過した現在でも、全く狂いを見せていません。
一方左側のそれは明治三十一年十一月、村の氏子中が奉納したもので、基壇は単層で、屋根は横にやや広く優美に見えますが、地盤に問題があるのか傾きが見えるのが残念です。
ツガの神木
境内に残るツガノキは元禄年間、佐伯藩主高慶公の正室が、この神社に祈願したことで三年にわたる大病が平癒し、その御礼に参詣した記念に植樹したといわれ、樹高三〇米、胸高周り三・五米、樹齢約三〇〇年、たいへん責重な古木です。
このほか境内には、樹高三〇米を越えるイチイガシの老木が数多く残されています。」
本匠村教育委員会 |