中間石幢

大分市上志津留

「まんじゅう形の笠の裏書から、室町時代の応永6年(1399)10月22日に玄覚禅門など33人の人々が、六地蔵信仰にもとづいて建立したことがわかる石幢です。この信仰は地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天という六道の苦界をめぐる運命にある人々を、六地蔵菩薩を信仰することで救うというものです。六地蔵は笠の下に置かれた龕の周りにも、童子像(1)、司禄像(1)と一緒に浮き彫りにされています。
 石幢は、「幡」という旗から起こったとも、笠塔婆からへんかしたともいわれます。総高は227cm。基礎・幢身・中台・龕・笠・宝珠の順にのせられています。宝珠には四方に火炎の掘り込みがあります。笠裏に残る墨書から、長年月の風雨に耐える墨のすぐれた性質も知ることができます。」

大分市教育委員会
2004.08.07撮影