緒方宮迫東石仏
2015.03.28


豊後大野市緒方町鮒川




緒方宮迫東石仏 国指定史跡
「中央には大日如来、その向かって右には不動明王、左には持国天が立っている。さらにこの左右には吽形・阿形の仁王の立像がある。また仁王の左側には二基の磨崖宝塔が刻まれている。中尊は、地元では大日如来と呼ばれている。方形裳懸座に結跏趺座し、右手は胸前で施無畏印、左手は膝上で与願印を結んでいる。顔面・胸部・両手は代赭色、螺髪・眉・瞳・口髭は黒色で、肉鬚・唇・納衣は 朱色で彩色されている。
 不動明王は、頭髪・衣文は朱色、肉身部は黒色で彩色され、持国天は朱色と黄色で彩色されている。
 中尊の後壁には、舟形光背が朱色と黄色で描かれ、不動明王と持国天の後壁には火焔光が描かれており、絢爛な仏画としての一面を示している。
 これらの石仏からは、平安後期の作風が感じられるが、豪放な造形と地域色の強い容姿から鎌倉時代に造顕されたと考えられる。
 中尊の左右前方に天保十年(一八三九)正月八日寄進の石燈籠一対がある。正月八日は初薬師の当日であったことから、昔は薬師如来として信仰されていたことが、これによって知られる。」

豊後大野市教育委員会
国指定史跡 緒方宮迫東石仏

彩色された磨崖仏

中央:阿弥陀如来

右:不動明王

左:持国天

左奥に

仁王像 阿形

右端の吽形は破損しています