鬼塚歳神史跡


 「この史跡には、三重町指定史跡の「町石」がある。丁(町)は、内山観音へ十一丁を示す里程標である。「願主 鬼塚村」と書いてあることから、内山観音に参詣する人々の便宜を図って鬼塚村人が建てたことがわかる。文化2年(1805)のことである。
 その横には、日本中の有名な寺を祈願しながら回った豊前小倉(北九州市)の市兵衛が建てた日本回国塔がある。
文化4年(1807)のことである。
 また、三重町で一番古い庚申塔がある。この塔には「庚申神 雌鳥雄鶏」と記してあり、慶安元年(1648)に建てられた県下でもたいへんめずらしい庚申塔である。
 中央の石のやしろには薬師如来と弘法大師の石像がある。どちらも江戸時代の後期に造られたやしろである。薬師如来のほうには
 
 一番 安楽寺
かりの世に知行あらそふむやくなり あんらくこくのしゅごをのぞめよ この世で地位を争うことは無益のことである。仏のまもりを願うことが大切であると刻んでいる。一番とは、内山三十三番札所のうちの最初の札所であろう。歌といい、札所といい、信仰上で価値のある史跡である。」

三重町教育委員会
鬼塚区


2004.08.07