石造地蔵菩薩立像及び比丘尼立像 県指定有形文化財(平成五年三月二十六日指定)
「松林寺は臨済宗妙心寺派で、嘉慶二年(1388)八月、釈雪牧開祖、その後成徳元年(1711)雲租が中興するが、現在は無住である。
地蔵信仰の起こりは平安時代以降といわれており、鎌倉時代に入ってその信仰はいよいよ盛んになり、以後各時代を経て今日に及ぶ。民衆の最も親しい菩薩として民間に広く信仰され、その像は数多く製作され、地蔵菩薩の無限無量の大慈悲心に美しい親愛の情をささげてているのである。
地蔵はあらゆる場所に身を変えて現れ、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人などの六道の衆生を救う仏で、『この世の末法の教え』とし、仏なき末法の世の救い主となり、いろいろな現世利益で飲食・衣服・宝飾・医療などが充足し、病も除くなどの現世利益だけでなく、六道・悪趣である地獄の苦しみを救う。
また、地蔵は人々の衆生済度を容易にするため、外見は衆生に親しみやすい童子や草鞋や比丘尼像の姿に変えたりするが、その典型が松林寺の像であろう。 ・
※名前の起こり
『安忍不動なること台地の如く、静慮親密なること秘蔵の如くなれば地蔵と名づく』
『地は万物を生み諸宝を蔵するところから地蔵と名づく』
総高比丘尼像120p(台石より) 地蔵菩薩像96p(台石より)」
国東市教育委員会 |