両子寺仁王 市指定有形文化財
「石造仁王は全国に分布しているものの、その数は大分県が圧倒的に多く、中でも国東半島には、130を越える仁王が確認されている。 寺域や仏像、神社の守護を目的として造られた仁王像は、鎌倉時代から造られ始め、安土桃山時代に最盛期を迎える。しかし、江戸時代の後半になると仁王は村全体、個人の信仰の対象として造立、奉納されることが多くなる。 両子寺の仁王は大型で容相もいかめしく、天衣や裳の表現にもすぐれている。阿形像左手に持つ金剛杵は肩上に構え、右手は腰の位置で拳にする。吽形像右手は肩下掌を前に開き、左手は腰の位置で拳にする。両像とも腹をやや突出し、胸骨や筋肉の表現には力強さが感じられ、国東半島を代表する仁王像である。 銘はなく、寺の伝えによると、文化十一年(1814)の作といわれ、総高245cm(阿形・吽形)、像高230cm(阿形・吽形)石材は角閃安山岩である。」
国東市教育委員会 |