大年社板碑
 2004.08.21

大分県指定有形文化財
 「二基は、ほぼ同形同大で石材も共に凝灰岩。
 上段の板碑は塔身正面上部に大きく種子「アーク(胎蔵界大日)」を薬研彫りし、その下に「暦応四年(1341)巳三四)と陰刻しています。
 下段の板碑は塔身正面上部に大きく種子「バン(金剛界大日)」を薬研彫りし、その下に「建武元年(1334)八月二廿八」、その向かって下方左側に「四十八日衆各敬白」と陰刻があります。
 この板碑は時宗関係集団に依って南北朝時代初めに造立されたものと考えられています。
 一遍を宗祖とする教団が時宗で、南北朝時代から室町時代にかけて一大隆盛をきわめています。
信者には貴族・武士・一般民衆等あらゆる階層がいました。ここ佐田では佐田荘を領有した佐田氏(宇都宮系佐田氏)の建立と考えられます。武士が戦場で討ち死にした場合、時宗僧が十回念仏を唱えて極楽往生に導き、且つその活躍の様を遺族に伝えるという働きをした「陣僧」の存在も考えられています。」

安心院町教育委員会