田平天主堂

2013.12.22

平戸市田平町小手田免




田平天主堂 国指定重要文化財(建造物)
建設年代:1917年(大正6年)10月 構造形式:レンガ造および木造、建築面積459.9u
「田平天主堂は、平戸瀬戸を望む丘に建ち、海と空の景色にとけ込む優美な姿で知られます。設計及び施工は、長崎県内の数々の教会堂建築に携わった鉄川与助(1879〜1976)で、1915年(大正4年)12月着工、1917年10月に竣工し、1918年5月14日に献堂式が行われました。
 長崎県内のレンガ造教会堂としては最晩期の建築であり、外観・内観ともに完成された意匠を見ることができます。外観は、正面中央に八角形ドームの鐘塔を備え、外壁はレンガ造および木造で、レンガの色づかいや積み方に変化をつけることで多彩な表情を作り出しています。内部は、木質にペンキ塗りで仕上げられ、連続するアーチの高窓、椿の花の浮き彫り、部分に使われた金色などが華やかな内部空間を演出しています。
 建設は、信徒の手作業によって行われました。レンガ・瓦・セメント・木材などの材料は船で運ばれ、石灰は持ち寄った貝を焼いたものです。敷地内には、この貝焼き場のほか、司祭館、正面門柱、煉瓦塀、石段や石垣、隣接の墓地などが良好に現存し、教会堂とともに優れた周辺の歴史的環境も高く評価されています。」


「田平天主堂は、世界遺産暫定リスト『長崎の教会群とキリスト教関連遺産』の構成資産として検討されています。」
県道221号線から見えてきました

北東側、駐車場から

東側

南東側

南側

北側から見た南側のステンドグラス

西側

西側正門

ルルド

貝焼き場
「田平教会はレンガの目づめにコンクリートではなくアマカワ(石灰と赤土をまぜたもの)を用いている。
 中田神父はこのアマカワに用いる石灰を自分たちで作った。
 信者たちは各家庭で食べた貝の殻を持ち寄り更に平戸や生月島からも貝殻を集めてこの窯で焼いた。
 まず下にマキを敷きその上に貝殻を置き更にマキ貝殻と交互に置き火をつけると取りつけた煙突からモクモクと煙を吐いて燃えたという。
 その火は夜も絶えることなく交代で火の番をした。」