田平天主堂 国指定重要文化財(建造物)
建設年代:1917年(大正6年)10月 構造形式:レンガ造および木造、建築面積459.9u
「田平天主堂は、平戸瀬戸を望む丘に建ち、海と空の景色にとけ込む優美な姿で知られます。設計及び施工は、長崎県内の数々の教会堂建築に携わった鉄川与助(1879〜1976)で、1915年(大正4年)12月着工、1917年10月に竣工し、1918年5月14日に献堂式が行われました。
長崎県内のレンガ造教会堂としては最晩期の建築であり、外観・内観ともに完成された意匠を見ることができます。外観は、正面中央に八角形ドームの鐘塔を備え、外壁はレンガ造および木造で、レンガの色づかいや積み方に変化をつけることで多彩な表情を作り出しています。内部は、木質にペンキ塗りで仕上げられ、連続するアーチの高窓、椿の花の浮き彫り、部分に使われた金色などが華やかな内部空間を演出しています。
建設は、信徒の手作業によって行われました。レンガ・瓦・セメント・木材などの材料は船で運ばれ、石灰は持ち寄った貝を焼いたものです。敷地内には、この貝焼き場のほか、司祭館、正面門柱、煉瓦塀、石段や石垣、隣接の墓地などが良好に現存し、教会堂とともに優れた周辺の歴史的環境も高く評価されています。」
「田平天主堂は、世界遺産暫定リスト『長崎の教会群とキリスト教関連遺産』の構成資産として検討されています。」 |