天如塔及び玉垣

2007.08.12

島原市湊道1丁目




天如塔及び玉垣
島原市指定有形文化財(建造物)
「天如塔は、明治42年(1909)に理性院大師堂の開祖である廣田言証師が建立した塔である。この塔は言証師が南方巡礼中にインドから釈迦如来像を持ちかえったため、そ如来像を安置するために造られたといい、塔の名前もこのインド(天竺)渡りの如来に由来するという。
 塔は八角形で土台径は十二間、高さは基壇を含めて11m余である。建設からかなりの年月を経ているため、補修等により新材に差し替えられている箇所は多いが、全体的に建設時の様態を保持ている。
 この塔の特徴は、内部に螺旋階段を二つ(登りと降り)持っている点である。
 塔の最上階に如来像を安置してあり、その途中は明かり取りもない闇の中で、仏の体内巡りを意識した造りとも考えられる。二十螺旋階段を特つ類例の少ない珍しい建造物である。
 また、玉垣ではあるが、石製で天如塔の周囲に286本が巡らされている。これには寄進者の192名の名前、居住地が彫られている。地名は、国内のほか、北はロシアから中国、韓国を経てベトナム、マレーシアなどの東南アジア諸国、インドの地名が彫られている。
 近代の邦人の海外進出を物語るとともに、知られざる出稼ぎ労働者の実態を示すものとして貴重である。」

島原市教育委員会
天如塔及び玉垣

玉垣