イチョウ(銀杏)
「このイチョウは、境内のケヤキと同じく樹齢800年の老木です。伝えでは、八幡宮の別当寺鶏足寺の寛信和尚が比叡山延暦寺鶏足院で修業された後、持ち帰り植樹されたといわれます。鶏足寺は宝治元年(1247)に寛信和尚が開山された盲僧寺で、和尚は三田井氏の本城『向山中山城』で生まれたといわれます。当時は、琵琶を弾きながら地神経を読み、高千穂郷18ヶ村の檀家を巡回したり、お宮の祭事についても奉仕していました。
しかし、明治元年(1868)、明治政府の神仏分離令により廃寺となりました。隣の屋敷が寺跡です。お寺の鐘や盲僧たちの琵琶の音を聞いて育ったイチョウは、寺跡から見上げると雄大でやさしい姿をしています。」
文 宮司 興梠称寿彦 |