岩戸越え 標高557m
「三田井浅ケ部地区からの峠道、見渡すと東から南面一帯が岩戸地区で、徒歩で約三〇分下ると、岩戸川添いに岩戸開き神話の天岩戸神社があり、途中里道を南へたどると、すぐ天岩戸温泉があります。北から南へと走るこの尾根筋にも、各所に札所があり、白蛇が出ると言う第七〇番札所は足元から程近い所で白蛇は弘法大師の化身かも知れません。
大字三田井と大字岩戸を分けるこの峠は、昔からの主要道路で、勤皇の志士と言われた山彦九郎が寛政四年(西暦1792年)七月、峠を越えて天岩戸へ参詣(築紫日記)しました。慶応三年の(西暦1867年)四月には延岡藩七万石最後の殿様、内藤政挙公が家臣約四百人を引き連れ、領主巡村のためこの峠を越えました。明治十年(西暦1877年)八月延岡可愛岳の戦いで官軍に敗れた薩軍は、難路をたどって岩戸からこの峠を越えて三田井で一泊し、終えんの地鹿児島へ向かいました。西郷さんも越えたこの峠はロマンがいっぱいです。」
高千穂町 |