御田祭(おんださい)
「田代神社の御田祭は、平安時代長元五年(1032年)の創建以来と伝えられ、彦火火出見尊の御神霊を近くの上円野神社よりお迎えし、上の宮田から中の宮田への御神幸により行なわれる田植祭りである。
祭りは、古来から世襲制の家柄が中心に祭事役(ミヨドウナリ、ノボリモチ)を務め、これに一般参詣者も加わり神人、牛馬が一体となり、神田の整地から田植えを行ない参詣者の無病息、牛馬安全と五穀豊穣を祈願する。
この祭りには、催馬楽の歌詞も伝えられ、古来の農耕神事がしのばれる近郷では珍しい民俗行事である。
なお『田代神社の御田祭と農耕行事』として昭和六十三年三月八日、県指定無形民俗文化財に指定される。
御田祭にかかわる祭典および農耕行事
旧三月三日 ひし餅供え神事(春の節句祭)
五月 床上げ(苗代床上げ)
五月 苗代種子まき、苗代耕供え(田の神祭り)
七月三日 あぜぬり、肥料まき
七月五日 苗代稗引き、注連縄つくリ
七月六日 注連縄張り、紙細工、お護符刷り
おこわ蒸し、注連縄掛け(下の宮田)
七月七日 おこわにぎり、降神神事、田植え(上の宮田)
神楽奉納神事、牛馬入れ
御田植え神事(中の宮田)
田植え(中の宮田)田植唄(催馬楽)
旧九月九日 柿餅供え神事(秋の節句祭)稲株引き
十月 稲刈り
十月 千歯こぎ
十一月 カマド御払い神事(田代神社大祭)」
昭和六十三年四月十八日
美郷町教育委員会 |