坂元棚田
2020.09.12

日南市酒谷甲 坂元




坂元棚田(日本の棚田百選認定 平成11年)
 「坂元棚田は、日南市の最高峰小松山(標高988.8m)の南西斜面標高200mに位置し、小松山を水源に清らかな水が谷川から棚田へと流れています。
 棚田の元地は、集落共有の屋根を葺く茅を刈る原野で茅場と呼ばれていた所です。起伏の少ないなだらかな傾斜地で、四季をとおして野の花が咲き、野鳥もたくさんいて、子供にとっては広々とした楽しい遊び場だったようです。
 その茅場が棚田へと変わっていったのは昭和の初めで、国の補助事業を導入して大正の末から測量が始められ、昭和3年5月に坂元耕地整理組合を設立して同年9月から本格的に工事が始められました。工事は5年間を費やし、19,747円と当時としては高額の費用をかけて昭和8年8月に約110枚、5ヘクタールの棚田が完成しました。
 石積みは全て現地の石を利用したもので、小さな自然石と大石を割ったものを垂直に近い斜面に高く積み上げる技は大変難しく、専門の技術者を雇い入れて工事は始まりました。工事が進むにしたがって地元の人々も見よう見まねで技術を習得し、10数枚の棚田が出来上がった頃からは、地区の人々を中心に家族総出で工事が進められたようです。
 この棚田は馬耕を前提としており、全国的に類をみない幾何学的に整備されたもので、1枚当り5アールの面積や畦道の幅など全て馬耕の思想が見られます。
 開田と同時に、灌漑用水工事も行なわれ、小松山中腹の赤ナメラ谷、半四郎窯谷の2つの谷から、約1500mの水路開削工事も進められました。
 開田当時は漏水が激しく、田の表土も硬く、稲の収穫は現在の半分にも及ばない程でしたが、農家の努力によって年毎に耕作し易くなり、徐々に増収へとつながっていきました。
 現在、12戸の農家が水田とそて70枚の棚田を耕作していて、近年は、棚田を訪れる人々も多く、四季おりおりの風景を楽しんでいただいています。
 農林水産省は、平成11年7月26日、文化的遺産や国土保全、動植物生態系の維持などはたしている役割を評価して、「日本の棚田百選」に認定しました。」
今年は早めに来ました

白が先に咲いています

赤はこれから

小雨



下の入口は少し咲いていました