稲荷神社
「社伝では、島津氏初代忠久が建久八年(1197)に創建したといわれている。
この社は島津本家の祭る稲荷社の一つであり、古くは『島津稲荷』、『稲荷大明神』と称した。当地の武家の尊崇を厚く受け、中でも天文年間には、北郷忠相が社殿を修復し、また慶長年間におきた庄内の乱の後にも島津義久・北郷忠能らが参詣したと伝承される。
現在の本殿は、享保十四年(1729)に再建され内神殿は中型の彩色社殿である。屋根につく木製鳥衾・破風板などはこの再建時よりも年代はさかのぼる。また、同社に伝来する永和五年(1379)墨書銘のある神面は県内最古のものである。
なお、旧藩時代までは、稲荷大明神の別当寺として、『明婦山正覚院和光寺』(真言宗)があり、旧社地の一帯はその跡にあたる。」
平成9年1月
都城市教育委員会 |