本庄の石仏

2008.03.16

東諸県郡国富町大字田尻




本庄の石仏 県指定史跡
「本庄の石仏は、田尻地区の松森山の岩壁に刻まれている。高さ約6m、肩幅1.5mの薬師如来像です。
 松森山は、またの名を日羅山といい、日羅上人が開いたと伝えられる竜宝山松森寺があったところです。日羅上人は飛鳥時代(6世紀後半)に百済より渡来し、聖徳太子にも謁見したといわれる高僧で、政治・芸術にもすぐれ、大分県・熊本県を中心に多くの伝説を残しています。
 松森寺の裏の岩壁に刻まれたのが本庄の石仏であり、その右側には五つの小さな仏像が、左側には岩穴が掘られていましたが、現在は寺もなくなり、柔らかい岩質のために薬師如来像以外の仏像も摩耗してしまい、ほとんど残っていません。
 本庄の石仏から40mほど下った観音堂のあるところには、かつて照崎寺があって、こちらにも多くの石像が彫られていました。」

国富町教育委員会
夫婦岩
「この山を観音山とも呼び、これより約120m登ったところに観音堂ががあり正観自在菩薩が安置されています。
観音様にはこの岩のあいだを通って参拝しないと御利やくがないといわれており安産で、すこやかに育つ子供への夫婦のねがいがこの岩に秘められていると言い伝えられています。」

国富町観光協会

不動明王と観音像
「左に観音像、右に不動明王がこの岩に相対顔して刻まれ石仏寺の山門をなしております。この岩間の参道は約3mありましたが不動明王の刻んである岩が倒れ観音像の頭部をつぶし今はその一部が残っています。刀法は決して凡作のものではないといわれ不動明王が持つ剣先には、生首がささっており他にみられぬ不動尊であります。又この岩の下は、心清き人のみが通行でき悪事を働く者は不動明王のいかりを受けて通り抜けることができないと云い伝えられています。」
国富町観光協会


観音堂
「この観音堂には安産の祈願仏、聖観自在菩薩が安置されています。近郷近在の参拝は香のたえたる事がなかったと言われてきました。本山の寺は伽藍造りでなく日羅石仏寺の中興のため天文年代に観音堂を建立したといわれています。
 本尊は高さ約40cmの木像坐像で元禄一年と記してあります。」

国富町観光協会

田尻の磨崖仏
県指定文化財『本庄の石仏』
「地上より光背上端まで約5.8メートル、肩幅約1.6メートルの真東に向かって岩壁に彫られた県内最大の磨崖仏です。
慈悲深く端麗な容姿から薬師如来像と言い伝えられています。
右手を上げた施無畏印は民の恐れを去らせる意味があり、同時に無病息災を念じている御姿です。
奥の院らしい静けさに包まれた当地は、遠い昔の様子を偲ばせます。
この仏像の左右にも磨崖仏の六観音が彫られていましたが、風化がいちじるしく現在は左側にかすかに確認されるのみです。」

国富町観光協会
薬師如来像