山内石塔群
「山内石塔群は、ここから南東約1キロの丘陵裾部に所在していたもので、昭和57年に発掘調査が実施され、三段に削平された斜面から五輪塔約450基、板碑約80基が確認された。
出土時はすべて倒壊した状態であったが十数区に復元され、数基単位で五輪塔を建立する区、「コの字形に五輪塔や板碑を配置する区などその特徴がとらえられた。
当地に隣接して安置されている弘安八年(1285)銘の県指定五輪塔も同地より搬入されたものと伝えられ、共に十二院を持ち栄えたとされる勢田寺と関連付けられる。
紀念銘のあるものも数基確認され、最も古いものは応永二十五年であったが、さらに古い特徴を持つ五輪塔も存在し、本石塔群の建立期間は鎌倉時代末期から江戸時代初期の約三百年間に及ぶものと思われる。
このように大規模な石塔群の発掘調査例は国内でも少なく、中世の武士文化の一端を知る貴重な遺跡であることから風化防止の化学処理を施し、この地に移設保存したものである。」
清武町教育委員会 |