県指定天然記念物 オニバス自生地
指定年月日 昭和八年十二月五日
「オニバスは、スイレン科の一年草です。県内では主に宮崎平野のため池に生育しています。その中でも、木城町岩渕大池のオニバスは唯一の自生地であり、昭和八年十ニ月五日に宮崎県の天然記念物に指定されています
オニバスという名の由来は、七〜八枚の円形の葉が鬼の角のようにトゲを無数に持つことから来ています。そしてその葉と実の間から顔を出す茎の先端から濃い紫色の花が見えます。このオニバスの花は例年八月下旬〜九月中旬のころに咲き出し、その光景は、岩渕大池を華やかな姿に変えることができます。
このオニバスについては、発生するのが年によって差がみられます。その原因の多くは、池の水にあると考えられます。汚水の流入や台風などの影響で水が濁ったりすると、種子に悪影響を与えます。その為か、毎年葉が見られる所がよく変わります。それ以外に、オニバスの周りに生息する水草に付く虫による被害も可能性があります。
いずれにせよ、オニバスの数は今減少しつつあります。鮮やかな色の花を覗かせ水面に葉を出すその姿はさながら水に浮かぶ魔法の緑の絨毯です。この素晴らしいオニバスは、行政はもとより、岩渕地区の理解と努力を得て今日まで保護されてきました。この景観を後世に伝えるためにも皆様の力でさらに守って行きましょう。」
平成十四年二月二十日
宮崎県教育委員会
木城町教育委員会 |