水島

2014.03.02

八代市水島町




水島 国指定名勝「不知火及び水島」
「水島は球磨川の河口に位置する海抜約11m、東西93m・南北37mの結晶質石灰岩と一部千枚岩からなる小島です。日本書紀景行天皇18年の条に『4月景行天皇が芦北の小島に留まって食事をされたとき飲み水がなかったので小左という者が神に祈りを捧げたところ、たちまち清水が崖のほとりから湧き出したので、その水を汲んで天皇に差し上げた。このためこの島を水島というようになった。泉は今も崖のほとりにある。』という記述があります。
 また、『万葉集』には、長田王が筑紫に遣わされて水島に渡るときの歌二首として、
【読み下し丈】聞きしごと まこと貫く 奇しくも 神さびをるか これの水島
  葦北の 野坂の浦ゆ 船出して 水島に行かむ 波立つなゆめ
【意訳】伝承に開いたとおり、まことに尊く、不思議なほど神々しい様子である、この水島は。
  葦北の野坂の浦から出船し、水島に行こう。波よ、どうか立たないでくれ。と詠われ、歌枕の地としても知られています。
 また、天保14(1843)年の水島新地築造の際、堤防によって干拓地に取り込まれる予定でしたが、国学者の和田巌足の建議により由緒ある島として堤防を湾曲して保存されたことは、現代の文化財保護の先駆的事例とも言えます。
 水島は、近年大雨や台風の影響や波浪浸食により崩落が進んでいたため、平成18年皮から熊本県の補助事業として3ケ年をかけて応急の崩落防止保存処理工事を実施しました。
 水島は、古くから文学によって広く世に知られ、八代海と天草の島々を背景に優れた歴史的景観を構成していることから、神秘の火とされる『不知火現象』とともに名勝に指定されました。」

平成21年6月 八代市教育委員会
龍神社と水島

水島

海側から

海側から龍神社