医王寺仁王像

2013.01.13

八代市袋町




医王寺
「真言宗。もと松江村にあり、木造薬師如来立像を安置する薬師堂が建てられていた。1662(寛文2)年に石原町に移転。1665(寛文5)年、城主・松井寄之の室・崇芳院により当地に再興。松井家の祈願所になる。神仏分離令により妙見宮(現・八代神社)神宮寺の遺物などが移される。
 境内前方に本堂と同形の鉄筋コンクリート造の薬師堂がある。本堂正面には一対の石造仁王像があり、高さ2.7m、もと妙見宮の社前にあり、1675(延宝3)年に奉納されている。ほかに境内には浄心石塔(1361(正平16))などもある。
 本堂は方三間の宝形造で、屋根は桟瓦葺、頂部に大きな宝珠がのる。露盤には昭和54年の銘がある。
 正面には大きな大唐破風の向拝があり、九曜紋の獅子口棟止め瓦がのる。兎の毛通しはぶどう、降懸魚は判然としないが葉の彫刻とする。向拝には鰐口を吊る。向拝の組物は絵様肘木と皿斗の巻斗で構成される出三斗、向拝虹梁の中備は波を象る大瓶束笈形とする。笈形など部材が大きく重厚さがある。この大唐破風と大きな宝珠が本堂の特徴をなす。
 身舎は切目長押、内法長押、飛貫、頭貫で固め、組物は大斗肘木、中備を蟇股とする。正面の左右脇に花頭窓が開く。」

熊本高等専門学校「八代たてものマップ」プロジェクトチーム
本堂前の巨大な仁王像

左吽形、右阿形

背面