円台寺廃寺跡 熊本市指定史跡
「巨福山善日院円台寺は、比叡山延暦寺の未寺で、鎌倉時代初期に豊後国守護の大友能直によって建立されたと伝えられている。その後、応仁二(1468)年再興され大永六(1526)年大友義山鑑が修造したといわれている。現在も残っている道路がかっての参道であり、その左右に坊が所在していたと推定される。また、白山宮跡があったことにより修験道の道場でもあったことを示している。
集落の中には坊主屋敷、神(上)屋敷・ぞうれん寺、山王下屋敷等当時の名残りのある地名や県指定文化財の建久四(1193)年在銘、建久七(1196)年在銘の石造笠塔婆や県指定史跡の磨崖仏群がある。
そのほかに正嘉元(1257)年在銘の宝塔の塔身、天正六(1578)年在銘の板碑、薬師堂には室町時代のものといわれる如来像、江戸時代に作られたと思われる十二神将像や仁王像、不動堂には寛永四(1627)年彫られた烏天狗像等々鎌倉時代から江戸時代までの石造物や彫刻が多数残っている。」
平成十四年三月二十九日植木町教育委員会 |