霊巌洞
「千数百年の昔より、この霊巌洞に安置されているのは石体四面の馬頭観音である。中央の岩壁に「霊巌洞」とあるのは、雲巌寺の開祖、東陵永輿(1285〜1365)の篆刻である。 宮本武蔵が、ここ霊巌洞に参籠し「五輪書」を書き始めたのは寛永20年(1643)彼が60才の秋のことであり、その後1645年5月12日門人、寺尾孫丞勝信に五輪書を授けた。 「神仏は尊し、されど神仏を頼まず」武蔵がその波乱に満ちた生涯を静かにふりかえり、剣の道をまとめあげるには、絶好の場所であったらう。」 1998年 晩秋 大仙哲翁 記 |