草千里と烏帽子岳(海抜1,337m)
「目前に広がる草原は『草千里』と呼ばれ、烏帽子岳の側火山として活動した千里ヶ浜火山の火口跡です。千里ヶ浜は浅い二重の火口で直径約1Kmに達します。内側の火口は草千里の東側凹地で、南北に約500m、東西に約250mのだ円形をしています。草千里中央の小高い丘は『駒立』といい、内側火口の縁の一部四です。
この一帯は、芝生のような草地になっていますが、これは昔から放牧地として利用され、牛や馬が長くなる草を食べ続けているからです。
春、麓に放された牛馬は、夏になると涼しさと草を求めてこのあたりに集まってきます。そして、秋風が冷たくなるころ、飼い主に連れられて帰って行きます。この雄大な自然の中で牛馬がのびのびと生きてゆく姿は、そのまま阿蘇の風物詩のひとつになっています。
草千里の背後にそびえる山は、阿蘇五岳の一つに数えられる『烏帽子岳』です。登りやすい山で、頂上からは360度の展望が開けます。眼下には、北に阿蘇谷、南に南郷谷、遠くには九重山や雲仙岳を眺望できます。このことから別名『国見山』ともいわれています。」 |