須恵平等寺の庚申塔

2012.04.14

球磨郡あさぎり町須恵




須恵平等寺の庚申塔 県指定重要文化財
「釈迦堂の古塔群の中に五輪塔の形をした庚申塔という石塔があります。
 庚申とは、60日ごとに巡ってくる庚申(かのえさる)の日の夜、仏家では帝釈天や青面金剛を、神道では猿田彦大神を祀って、その夜は精進徹夜して健康長寿を願う習俗です。
 庚申の夜に眠ると、人身中にいる三尸(さんし)という三匹の虫が、その人の罪過や悪行を帝釈天に告げ口をし、命を縮めると信じられていました。これは、中国の道教の守庚申に由来する禁忌で、平安時代に伝わり、江戸時代に盛行されました。ちなみに、三尸虫は、人の頭、腹、足にいて、眼を暗くし、髪を白くし、五臓を損ない、精を奪うと考えられていました。
 地輪には、右の図のとおり、それぞれの面に文字が刻まれています。面の中央部に梵字『ア』を刻み、その周囲には、庚申供養に参加した人達の戒名、つまり結衆者の交名が刻まれています。
 また、銘文中の『庚申供養逆修』のうちの「『逆修』とあるのは、自分の死後の冥福を祈るため、生前に法要を行うことですが、死者の冥福を祈る追善供養は、その福の七分の一を死者が受け、七分の六を供養した者が受けるとされて、生前に行なう逆修はその七分の七(100%)の福を得ると考えられていました。
 さて、この庚申塔の塔形は五輪塔形ですが、その形の庚申塔としては球磨郡内では珍しいものです。高さは1.1mあり、材質は凝灰岩です。また、紀念銘の天文4年(1535)は、郡内で二番目に古いもので大変貴重な遺物です。平成10年1月18日に熊本県重要文化財に指定されました。」

あさぎり町教育委員会 平成17年3月建立
釈迦堂は遠山桜へのシャトルバスの乗降場になっていました

これが庚申塔でしょうか
以上 2012.04.14撮影


阿蘇釈迦堂(平等院跡釈迦堂)
「平等寺は球磨地方最古の寺院(真言宗)で、薬師堂、地蔵堂などが立ち並び壮大なものだったといわれていますが、現在は釈迦堂だけが残されています。
 本尊は平安朝藤原期様式の釈迦如来坐像、両脇侍は鎌倉後期の普賢菩薩騎象像と文殊菩薩騎象像で、いずれも県の重要文化財に指定されています。
 また、境内には室町から江戸期の板碑、五輪石塔などが多数あります。」
5年3ヶ月ぶりの訪問

庚申塔を確認

これでした

地輪 庚申供養逆修
以上 2017.07.22撮影