御伊勢ドンの灯籠
「文政5年(1822)に建立された石灯篭です。地元の伝承では、伊勢神宮に参詣したのを記念して建てたのだとされています。御伊勢様を信仰する余り、集落に小さな御伊勢様を勧請して建てたのでしょう。この辺りの地名を『おいせどん東』と言います。御伊勢ドンとはもちろん現在の三重県伊勢市にある伊勢神宮のことです。元々は国家祭祀の場でしたから、平安時代などは極限られた宮中の人々の信仰対象でした。時代が鎌倉・室町と下ってくると、その信仰が武士の間にも広がり、江戸時代には庶民へも広がって行きました。人々は伊勢神宮に参詣するために講を作り、少しづつお金を積み立てて、代表者を参詣に送り出しました。
知覧でも伊勢信仰は盛んだったようで、上郡、桜の元にも伊勢神社があります。また海岸部の南別府竹迫には御伊勢講に使われた、御神体・小祠(しょうし)・太鼓などが残されています。」 |