尾白江庚申供養灯籠 市指定文化財
「この灯寵は、寛文十三年(1673)正月、尾白江嶋郷の庚申講中によって造立されたものである。
現在は、火の神として、地元の消防団が毎年おまつりをしていて、この地区では今でも庚申講の風習が残っている。
いい伝えによれば、昔この嶋郷集落に大火があった。必死の消火もむなしく、火勢ますますつのるばかりで手のほどこしようもなかった。こうなれば、神さまのお助けにすがるしかない。思い余った住民が庚申堂に駆け込み、集落を大火から守ってくださいと祈願した。ところが不思議や、あれほど猛威をふるった火勢もおさまり、まもなく鎮火した。
これこそ庚申さまのお助けだと住民こぞって感謝し、きっそく石灯籠を造って庚申堂に寄進したもので、それからこの庚申堂を火の神としてあがめるようになったという。」
薩摩川内市教育委員会 |