森園の田の神

2015.06.06

鹿児島市春山町




民俗資料 森園の田の神(市指定有形民俗文化財)
平成17年3月31日指定
「造立は、寛保三年五月吉日(1743)、町内唯一の神舞い姿で、右腕と胴体との間をくり抜き、背面には袴を刻むなど入念な丸彫り立像である。下に三つの台座があり、一番上の円形台座には見事な雲龍紋の彫刻がある。
右手にメシゲ、左手にお椀、かぶり物としてはコシキの大きなシキを肩まで垂れるようにかぶっている。
田植え時から秋の収穫時の間は像の向きが西に東に南に向きを変えられたという。
これが田の神の信仰からきた昔からの習わしで、自分の田のる方を見守ってもらいたいと祈る農民たちの田の神への願いであった。
旧暦の十月の最初の丑の日に田の神講が行われる。床の間に青面金剛の軸を掛け、餅の入ったワラヅトを田の神の体に巻きつける。焦まった子どもたちには小餅を振る舞う。」

平成10年8月1日
鹿児島市教育委員会
寺脇公民館横

雲龍紋の台座に田の神

側面

寛保三癸亥(1743)

側面

背面