仁王像
「仁王像は寺の門の両側にあって、仏教守護のため建てられた一対の金剛力士像である。ここ正若宮の境内にあった梅中寺の守護として、寛文五年(1665)に建てられたが、明治二年の廃仏毀釈で損傷を受け別の一躯は川内川にすてられたといわれている。
仁王像はロの開閉の形で意義づけられている。
ロを大き<開いた像が阿形で密迦金剛、□を一文字に結んだ像が吽形で那羅延金剛という。「阿」は字母の初顔で法界(万有)のはじめ、即ち真理の明示であり「吽」は字母の最後で法界の終わり、即ち絶対の理知を表示しているとされる。
この阿吽の間に法界(万有)の一切があるということである。
なお現在残されているこの仁王像は「吽形」の像である。」
湧水町教育委員会
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