柏尾山道隆寺跡 町指定文化財
「道隆寺は肝付氏第四代兼員が寛元四年(1246)、肝付氏祖先の菩提所として、また仏法を弘め衆生を救うために建立し、蘭渓道隆禅師を開山としたと伝えられる。
道隆禅師は宋国西蜀の人で、字は蘭渓、勅謚は大覚禅師。禅師は三年の年月をかけて、唐木の十一面観世音を完成し、寺堂に安置した。この像は當邑五仏の内南方の一尊像と仰がれた。
北条時頼はのちに、志布志臨済宗大慈寺の末寺となり、明治二年の廃仏毀釈まで法灯を守り続けてきた。寺宝としては道隆禅師の蜀江錦と阿南御前手作りの菊花の帳が伝えられた。現在は帳だけが残り、肝付町立歴史民俗資料館に展示されている。
寺跡には、肝付氏ゆかりの人々の数多くの石塔や僧侶の無縫塔が遺されている。また、島津氏六代氏久と七代元久の逆修供養塔が出土している。
寺跡の南側の低地は『道隆寺の大蛇』伝説が語り継がれてきた池田である。」
平成22年4月
肝付町教育委員会 |