稲荷神社の仁王像

2015.06.28

鹿児島市郡山町 中福良




郷社稲荷神社
「『稲荷神社は郷社、村の北にあり、社地東西拾五間、南北二拾間、面積三百坪、豊受姫命を祭る。例祭十一月三日、二月初午の日、社地老樹あり』と鹿児島県地誌にあり、また三国名勝図会には『稲荷大明神、神廟郡山村にあり、祭祀九月九日、天文五年の棟札を納む』とあります。
 祭神 豊受姫命、御神体 鏡一面
 この稲荷神社は、比志島美濃守義住が、天文五年(1536)四月二十一日に、藤ヶ山に創建し、正徳五年(1715)二月吉日にこの地に移し、大正五年(1916)に規模を広げたものです。現在は町の郷社として西俣・郡山・油須木・厚地・東俣・川田の各集落の公民館長が総代として祭礼に参加しています。
 稲荷神社は、島津氏初代忠久公の母、丹後局が忠久を出産するとき、稲荷神社の神像の『狐』が守護して安産であったという伝説に起因して、島津氏の守護神として奉祀されました。また、この神は穀物の神でもあり、以前はお田植え祭も盛大に行われていました。
 神社の境内入口左右に石祠があり、門守神が彫られています。また、鳥居近くには、仁王像一対もあります。」

平成十二年三月十五日
鹿児島市教育委員会
稲荷神社の鳥居前に一対の仁王像

阿形

吽形

背面