喜入のリュウキュウコガイ産地 特別天然記念物
「熱帯及び亜熱帯泥土の堆積する波のおだやかな入り江の淡水と海水のまじりあう潮間帯には、マングローブとよばれる森林が発達します。リュウキュウコウガイは、マングローブを構成するヒルギ科の一種で、果実が『琉球のこうがい(かんざし)』に似ているところから名付けられました。現在はメヒルギと呼ばれることが多いようです。
メヒルギの種子は果実の中で発芽し、母樹から養分をとって成長し一定の大きさになると地上に落下することから胎生植物といわれます。潮流によって移動してくぼみ等に定着すると発根して立ち上がり、やがて幼苗になります。メヒルギの自然分布は、東南アジアから南西諸島(奄美大島、屋久島、種子島等を含む)および薩摩半島までで、南西諸島のメヒルギは高さ4〜7m程度に成長しますが、喜入は北限地であり、高さは2m程度に成長します。
当地は自生北限地帯として大正10年3月、国の天然記念物に、また昭和273月には国の特別天然記念物として文化財指定されています。」 |