高田観音堂の十一面観音像 南九州市指定有形文化財
「十一面観音像は、牧田三太郎(文久元年~大正7年)が同僚数人と清水から運び、高田観音堂に安置した(当時は観音講が行われていた)と伝承されているものである。
当仏像製作者の吉田知山は、旅の僧侶で明治24年後半から、川辺村の清水や神殿に滞在し、仏像製作を開始。明治28年、清水磨崖仏に十一面観音像、阿弥陀如来像、宝篋印塔を彫刻する。廃仏毀釈後の川辺の仏教文化の再興や川辺仏壇の黎明期に大きな役割を果たしている。
吉田の仏像や仏画は、鮮やかな空色の彩色に特徴があり、それを顕著に示している芸術性の高い作品の一つである一方で、この仏像が御本尊とされ安置されている観音堂では毎年7月に六月灯が開催されている等、地域住民の信仰を集めている。」 |