白水の庚申塔

2015.05.10

鹿屋市白水町(しろみずちょう)




白水の庚申塔
「庚申信仰は、中国の道教の中の三尸説から出た民間信仰で十干十二支の『庚申』の夜、人間が寝ている間に三尸の虫が人体から出て天に登り、天帝にその人が日頃犯した罪を告げ、その人の寿命を決めるといわれ、人々はその夜寝ずに過ごすようになった。
 この思想がのちの庚申講に発展した。庚申講は集落の人達が集まり徹夜して語り合うという風習であったが、戦後すたれてしまって今ではほとんど見られることもなくなってしまった。
 ここの塔は三眼六臂で天の邪鬼(悪魔)を踏みつけ日輪(太陽)月輪(月)を表現し破魔矢や奉賀帳などを表わしている。当時の信仰形態を知る資料として貴重なものである。」

平成16年3月
鹿屋市教育委員会
国道220号線沿い、白水観音堂前

青面金剛

足元の邪鬼

側面

側面

背面

白水の六地蔵塔
「地蔵菩薩六体を六面に一体ずつ浮き彫りにしているため六地蔵塔とよばれる。
 地蔵菩薩は六道の人々を救済する仏として我が国では平安末期頃から死後の世界での苦しみを救ってくれると考えられてきた。
 肝付落城伝聞記によれば、戦国時代末期の天正二年(1574)島津、肝付の軍、古江、白水に戦う、とありここの六地蔵塔はこの戦いの時の戦死者を供養する為に建てられた追善供養塔と思われる。」

平成16年3月
鹿屋市教育委員会