田の神(山田) 鹿児島県有形民俗文化財
「田の神像は、鹿児島県本土と、宮崎の一部にしかみられない貴重な民俗文化財です。
江戸時代中頃から稲の豊作を願って、用水路や田んぼのあぜに立てられたもので、“タノカンサァー”と呼ばれています。また、昔は、この“タノカンサァー”を囲んで宴を催す『田の神講』も盛んに行われていましたがこの地区には『田の神講』がなかったので、『女人講』で田の神を立てました。
この田の神像は、顔面はくずれ表情は不明ですが、頭には頭巾風にシキ(蒸器と釜の間に敷く藁製品)をかぶりシキの編目が克明に刻まれています。長袖の上衣に掌のような二段ひだのついた長袴をつけ、右手には小さな飯杓、左手には長く細い棒を持っています。
台座に『霜月吉日 享保8歳(1723)女人相中』と文字が刻まれていますので、享保8年に立てられたものと思われます。
この田の神像は、『僧型立像』の代表的なものであります。」 |