川上の田の神 鹿児島県有形民族文化財
「田の神像は鹿児島県本土と宮崎県の一部にしか見られない貴重な民族文化財です。
江戸時代中頃から稲の豊作を願って、用水路や田んぼのあぜに建てられたもので“タノカンサァー”とよばれています。また、昔は、この“タノカンサァー”を囲んで宴を催す『田の神講」も盛んに行われていました。 この田の神像は、頭には笠状のシキ(蒸器と釜の間に敷く藁製品)をかぶり、顔は笑った庶民的な表情がよく刻まれています。足には沓、右手に飯杓、左手にスリコギを並べて立った型で、田の神舞を舞う神職の姿をモデルにしたとも考えられ、全体に動きのある姿をもっている『田の神舞型』の代表的なものであります。
背面に『寛保元年辛酉九月吉日』の文字が刻まれていますので、寛保元(1741)年に建てられたと思われます。」
昭和41年3月11日指定 |