札下の田の神

2013.09.29

鹿児島市山田町 札下




田の神(札下) 鹿児島県有形民俗文化財
「田の神像は、鹿児島県本土と宮崎の一部にしかみられない貴重な民俗文化財です。
 江戸時代中頃から稲の豊作を願って、用水路や田んぼのあぜにたてられたもので、“タノカンサァー”とよばれています。また、昔は、この“タノカンサァー”を囲んで宴を催す『田の神講』も盛んに行われていました。
 この田の神像は、頭にシキ(蒸器と釜の間に敷く藁製品)を頭巾のようにかぶり、あごひげを伸ばし、長袴をつけ、左手には椀、右手は欠けていますが、飯杓を持っていたものと思われ、どことなく農民の姿に似ています。
 台石には、『享保12(1727)年丁未奉造立』の文字と他にこの像を立てたと思われる24名の名前(うち苗字だけの者8名)が刻まれているので、享保年間に、郷士と農民が一緒になって立てられたと思われます。」

(監視員 田平学)
皇徳寺団地東口交差点の南西側

あごひげのある田の神

享保十二丁未(1727)奉造立

側面

側面

背面