濾過池
「この濾過池は、千尋巌方向から水道石管を伝って流れてくる水を濾過するために建てられたものです。明治40年(1907)7月13日着工、9月13日竣工しました。設計者・施工者は不明です。明治40年10月には皇太子(後の大正天皇)が鹿児島を訪れ、仙巌園でも園遊会が催されています。仙巌園では、江戸時代から近くを流れる稲荷川上流(d木川)から取水し、疎水溝を造って邸内に引水し、その水を水道石管などで御殿や池に導いていましたが、明治40年の皇太子の訪問を機に、島津家でもより上質な上水道の必要性を感じ、濾過池が造られたのではないかと考えられています。
この濾過池は、切石を巧みに使ってアーチを造るなど、しっかりとした造りになっており、近代の石造建築では貴重なものであるとして、平成13年(2001)に登録文化財に指定されました。」
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