川口の田の神 鹿児島市指定有形民俗文化財
「田の神像は、鹿児島県本土と宮崎の一部にしかみられない貴重な民族文化財です。
江戸時代中頃から稲の豊作を願って、用水路や田んぼのあぜに立てられたもので、“タノカンサァー”とよばれています。また、昔は、この“タノカンサァー”を囲んで宴を催す『田の神講』も盛んに行われていました。
この田の神は、珍しく腰掛け姿で、顔面や左手は欠けていますが、顔にシキ(蒸器と釜の間に敷く藁製品)をかぶり、右手に飯杓を持っています。
製作年代はすぐ隣に『安永10(1781)年2月24日川口村中』と刻まれた石碑があるので、この地区に住む人々によって立てられたものと考えられます。
田の神が次第に住宅地の隅においやられている現状の中で、この地区では田んぼのあぜに立つ昔ながらの田の神像を見ることができます。」 |