昌了寺の仁王像 市指定重要文化財
「然芳山昌了寺は寛永十四年(1637)八月、時の入来領主十六代重高が、その夫人の位牌所として建立した浄土宗の寺院でした。この寺の山門の両側に立っていたのがこの仁王石像ですが、製作者は本町山之口の大重諸左衛門という石工でした。
仁王の別名を金剛力士といいますので、この一対の石像は、口を開いた方を阿金剛、口を閉じた方を吽金剛と呼んでいます。仁王さまはいうまでもなく、寺院を守護してくださる仏神です。この石像彫刻の費用を寄進した人は、麓町の山下藤兵衛・蓬原甚太夫の二人で、仁王像造立は寛保二年(1742)八月二十一日でした。
この寺院は慶應四年(1868)九月七日に廃寺となりましたが、この仁王さまだけは村人の手で大事に守られてきたのでした。」
薩摩川内市教育委員会 |