磨崖仏 重要文化財
「この岩壁に彫刻された阿弥陀如来の坐像は、貞享四年(1687)二月に、この栗下に住む谷口平兵衛が、親に先だって亡くなった子どもの供養のために作らせたものだといわれています。谷口家では代々早世する子女が多かったので、白山山伏の占いによってこの阿弥陀を刻んで祀ったところ、其の後、男女六人の子福長者になりました。そこで『この仏さまは子産み仏だ』といって大評判になり、特に子どものない婦人達に信心されるようになりました。
町内の仏像は明治初年の廃仏の時に破壊されたり、損傷されたりしたものが多かったのですが、この仏像は谷口家の人々がひそかに粘土で塗りつぶして守ったために、このようにすばらしい彫刻が無傷で残ることができたのでした。」
入来町教育委員会 |