田の神様(タノカンサァ)
「田の神像は、旧薩摩藩領内だけに見られ、二〇〇〇体見られます。農耕や豊作の神様として、江戸時代の中頃の一八世紀の初めから、農民や下級武士たちによって作られました。
形は実に変化に喜んでいますが、初めの頃は仏像や神像の姿でした。その後は次第に持ち物や表情も農民の姿の物も作られるようになりました。
田の神は、鹿児島弁で『タノカンサァ』と呼ばれ、決して崇ることをしない、豊作の神様として庶民に親しまれてきたのです。
この田の神様は、指宿で最も古く、像の高さは六二Cm、西暦一七四〇年に建立されたものです。
台座の文字 元文五庚申歳 二月二十七日
御田神大明神 宮十町小路中」 |